妖怪を見た


筆不精ゆえ日記とやらは得意ではないが、念のため記録を残して行こう。

今日、妖怪を見た。幽霊ではない、妖怪だ。

子供の頃からそういったものとは無縁で、だからこそ人が遭遇する未知なるものの研究をしつづけてきた。

この研究所の建物を買ったときも、いわゆる霊感のある知人に「うようよいる」と青い顔で言われたものだが、全くもって何も感じなかった。

だが、今日、妖怪を見た。台所に着物の人がいて、ついに幽霊かと思ったら、頭が赤提灯だった。

「暖かくなってきたし、コタツはそろそろ片づけた方がいいよー」

余計なお世話だ。まあ、髪を振り乱した血まみれの幽霊でなくて良かった。


最新記事

すべて表示

妖怪は妖怪のことを知っているか?

久し振りに書く。パスワードを忘れて思い出すのに苦労した。 なんでもかんでもパスワード。電子版の面倒なところだ。 いまさらだが、『妖怪』というものの研究はなかなか難しい。 関連する文献は膨大にあるし、日本各地に伝承として残っている妖怪の話は数多あるのに、それを組み合わせて肉付けしていくうちに実体が失われていくような気がする。両手いっぱいに水をすくったつもりが口に運ぶ頃には一滴もなくなってしまっている