付喪神がいる日常


家に付喪神がいる。この状況となんてことなく受け入れているが、改めて考えると実に奇妙な光景だ。

最近料理を覚えたらしく、食材を置いておくと、料理になっている。最初は驚くほど不味かったが、最近はなかなか美味い。洗濯や掃除等も楽しそうにやっている。なんとも便利なことだ。

もともと幽霊屋敷等と言われて、好奇心半分に子供たちが庭先に潜り込んでくるのだが、今日は、中島みゆきを歌いながら物干しざおにシーツを干しているでんでん太鼓に遭遇したようで、悲鳴をあげて飛び出して行った。やはり子供たちには視えるのだろう。

回覧板を届けに来るついでに様子をさぐりにくる爺さんは、サイコロと提灯が跳ね回っていようとも、重箱がお茶を運んでこようとも、全く見えていないようだ。知らない間に出現するお茶を「こりゃこりゃどうも」とうまそうに啜っている。

ちなみに化け提灯の赤丸と化け灯籠の焔楽(えんらく)は、名前が欲しいとせがむので、私がつけた。

焔楽は少々ひねったが、赤くて丸いから赤丸とは、短絡すぎたか。まあ、本人が気に入っているので、何も言うまい。