延命地蔵尊


よみせ通りにある延命地蔵尊の右の建物との間には、ほんの僅かな隙間がある。人どころか、猫ですら入れるような隙間ではない、ぐりとぐらの絵本の厚さくらいの幅だ。

昨日…、というか一昨日、ひょうたん池で酒をしこたま飲んで、もう閉めるぞと店主に教えられて、帰る途中のことだった。延命地蔵尊を赤く引き立たせる灯りも既に消えているのを背に、路地に入ろうとした時、私はふと違和感を感じた。

灯りの消えた延命地蔵尊を振り返る。

違和感の正体は光の消えた提灯でも、扉の閉まった小さなお堂でもなく、右の建物との隙間だった。

人が通れるほどの道があったように思う。

あったように思うが、半分夢を見ていた気もする。



最新記事

すべて表示

妖界5回目(失敗)

今月の新月は3月24日だった。 しかし、私はまだ人間界にいて、ブログを書いている。 23日の都知事の会見を受けてか、この界隈は夜に歩いている人は少ない。 昨日は、この時期に旅行かと、ときどきすれ違う人に白い目で見られながら、大きなトランクを引きずり延命地蔵尊に行った。 だが、行けなかった。道は開かなかった。 しばらく粘ってみたり、他の月齢カレンダーを調べたりもしてみたが、やはり今日が新月だ、間違っ

荷造り中

次は1ヶ月近く滞在するつもりで荷物をまとめている。 次の新月が待ち遠しい。